お客さんはどこにいる 第1回
2006.7.30
「趙博を応援する会」が初めてプロモートした6月25日の「歌うキネマ 砂の器」は60席の会場だった。
そのお客さんを集めるのに一苦労したことは小野田会長の述懐にあるとおりである。
結局、入場者数は43名だった。
会場には席に多少の余裕があったのである。
日曜日の夜に60人を集めるのがたいへんだったのである。そして満席にはならなかったのである。
でも来てくれた人には好評だったことはなによりである。
なかなか売れないチケットを抱えながら、小野田会長は電車に乗ったときも、この車両に乗っている人がみんな来てくれるとすぐ満席になるのにと思っていたという。
お客さんはどこにいるのか。
これまでの芸人を見る立場から、芸を多くの人に楽しんでもらうという立場に立ったときに、ものの見方が変わってしまったのである。
いや、物事を広い視野から見るようになったといったほうがいいかもしれない。
それはまた芸の魅力を深く理解することにもなるのである。
それによって芸を見ることがよりおもしろくなる。
お金を取って見せるに足る芸なのかどうかを見極める判断力が求められるようになったからである。
はじめての興行が好評で、それまでの集客の苦労が報われたことで、またやってみようという気持ちが湧いてきたという。
とはいえ、新米プロモーターだけに、どうやってお客さんにその面白さを伝えたからいいのか、そのノウハウがまだないのである。
試行錯誤がしばらく続くことだろう。
次回の「趙博を応援する会」の公演は、9月16日(土)と17日(日)に趙博の連続公演を行なうことを決めたという。
16日は「歌うキネマ ホタル」を語る。こんどは高倉健である。そして17日はライブ&トークショーである。
まずはチラシを1000枚刷っていろいろなところに置いてもらうことにした。
どこかの会場でそのチラシを目にしたらぜひ手に取っていただきたい。もちろんタダですからそれを持ち帰って、ぜひぜひチケット申込みのメールを出していただきたい。
これまでいろいろな会を開催してきた人に聞くと、1000枚チラシを配っても、それを見て来てくれる人は2〜3人ぐらいだとも聞かされている。
1000人近く入る会場を満員にした会の利益が数千円だったという話もはいってくる。
興行は大変なんだということがいろいろなところから伝わってくるのである。
まずは小さい会場ではじめて、手売りで一枚ずつ確実に売りつけていくことだという。
9月の公演を決めたら、今回はすぐにチケットを作成した。
小野田会長に会った人はそのチケットが手渡されるはずだから、大いに協力していただきたい。
1枚といわず、奥様やご主人様とご一緒に、お友達とお二人で、恋人をさそって2枚お求めいただけると運勢が開けると言われているから、遠慮することなくチケットをいっぱいお買い上げいただきたい。
さらに、土曜日と日曜日のチケットを合わせて買うと今年後半の運勢は最高ともわいわれている。
対(つい)で買うと縁起がいいのである。
9月16日は42席、17日は50席の会場である。
たぶん、今回もお客さん集めは厳しいだろうと思われる。
いったいお客さんはどこにいるのだろう。
お客さんを集める、というか、お客様との出会いを求めて、そのノウハウはどこかにないかと思って買ってきた本が中山和義著「客は集めるな!」(フォレスト出版2006年7月新刊)である。
客は集めるなというはもちろんそれは逆説なのだが、なるほど著者が言っていることに一理あるのである。
その本の中で、テニススクールを経営している著者が、お客さんを求めて新聞折り込みチラシを10万枚刷ったという。
その反応がどうだったかというと、体験レッスンに来たは100人余だったという。
1万枚で100人ではない。10万枚で100人である。
その手応えは、さきの1000枚で2〜5人に近いから、そのへんが通常の反応率なのかもしれない。
1000枚で2〜5人というのは、そのチラシを小劇場などの芸や芝居が好きな人が集まるところに置いてもらったから、対象が絞り込まれているために、新聞の折り込みチラシで無差別にばらまいたのに比べて多少は反応がよかったのだろう。
そのテニススクールが、二回目、三回目らチラシをばらまいたらその反応はどうなったかというと、それは本を読んでいただきたい。
10万部のチラシを新聞折り込みでばらまくとその費用は70万円ぐらいかかるという。
「趙博を応援する会」にはそんな余裕はないから、会長自ら印刷インクにまみれて刷った1000枚のチラシ(なんと1600円で刷れちゃった)が今できる出費の全てである。
あとは趙博の公演を見た人の口コミが頼りである。
いちど趙博をごらんになった方は応援をよろしくお願いします。
お客さんとの出会いがいかにむずかしいかということをこれからも書き綴っていきたい。
「趙博を応援する会」を応援してくれるお客さんが頼りなのである。
それはおもしろい芸にひたって楽しい時間をすごすために。
そして芸の神髄にふれて身震いするために。
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